■ 諸君、2014年も俺が提供する新感覚エンターティメント『イサオクラッセ』を楽しんで頂けただろうか。

俺の中で今年最高のショーは、「キーパーを除く全ての選手をDFで構成すれば、負けない」という高等戦術を唱えたスレだ。大胆不敵な俺の発想に諸君らが慌てふためいたことを、俺は昨日の出来事のように思い出せる。フットボールの基本はディフェンスであるが、守備に掛かるタスクの比重が増す昨今、そのスペシャリストを並べれば失点のリスクを最小限に抑えることが可能となる。一見単純に思えるが、合理的な戦術として諸君らを唸らせた。

俺のアイデアはスレとなり、時に芸術作品へと昇華する。その象徴が「自国の代表=自国のリーグ選抜にすべき」というスレだ。これはつまり、自国のリーグに属しているのなら、外国人も自国の代表として招集出来る、一方で国外リーグに属している自国の選手は、こちらは招集権を持たない、というものだ。ナショナルチームの定義を破壊する危険な思想だが、一方で枯渇したナショナリズムに一石を投じるスレとして、諸君らから多くの賛辞を受けた。

W杯期間中も、俺は躍動を続けた。「ブラジル戦に、ドイツ人の冷酷な精神を見た」というスレだ。多くのサッカーファンに衝撃を与えたあの準決勝だが、エンターティメント性という観点から振り返ると、W杯という祭典に相応しくないゲームだった。誰もブラジルのあんな姿を見たくないんだよ。凡人はブラジルの弱さを責めるが、俺という鬼才は敢えてドイツの強さを非難した。本当の強者は、ああいうふうに自らの力を必要以上に誇示しない。相手に情けを掛け、観客が試合を楽しめるようにコントロールする。プロのフットボーラーにとって一番重要なのは、技術を追及すると同時に観客にエンターティメントを届けることだから。

その他にも俺は数多くのディベートを諸君らと交えてきた。降格したチームから真っ先に立ち去ろうとした長谷部と清武には「助っ人外国人としての心構えと、日本人の大和魂」を説いた。テレ朝の解説席から姿を消す羽目となったセルジオ越後には彼の貢献を再評価すると共に、「出る杭は打たれる」という日本の風潮に釘を刺した。アギーレの八百長問題をマスメディアが騒ぎ立てた時には、「欧州サッカーがここまで発展した数多くの要素の中には、八百長も含まれていた」という刺激的なテーマで、諸君らをヒートアップさせた。数日前には「海外移籍が日本代表を弱体化させている」ことについて、メキシコを例に警鐘を鳴らした。

以上のように、フォリに君臨する唯一無二のアーティストとしてヒエラルキーの頂点に立つ俺だが、2015年は今年を凌駕する更に壮大なスケールで『イサオクラッセ』を届けていきたい。
俺のスレにお付き合いして頂いた全ての諸君へ感謝を。ではまた来年に逢おう。アデオス！

from 釈迦堂ジュンヤ、浜本サトル、花園ユウ、洒落男、脱福井マン