■ 箱根駅伝を制した青学大の原晋監督（４８）はユニークな人柄で知名度を上げたが、マネジャーもただ者ではない。「従来のマネジャーはチームを支えるイメージですが、僕はチームを引っ張るマネジャーを目指しました」。９人のマネジャーのリーダー格の高木主務は胸を張る。

　４年前、箱根駅伝を走るために熊本の強豪校、九州学院高から入学。伸び悩み、２年生の春に原監督からマネジャー転身を打診された。「選手として厳しいことは分かっていましたが、認めたくなかったんです」。懸命に練習を続けたが、その年の１２月に左足首を疲労骨折。「踏ん切りがついた。マネジャーになるからには全力を尽くす、と決めた」と九州男児は振り返る。

　チームメートには遠慮なくゲキを飛ばし、原監督にも練習メニューなどで積極的に意見を出す。「高木とはよくケンカしたなぁ」と原監督は笑う。８区区間賞の高橋宗司（４年）は「頭がキレる。そして熱い。高木なくして優勝はなかった」と断言した。

　芦ノ湖と大手町で行われた歓喜の胴上げ。高木主務は、宙を舞った原監督や神野大地（３年）の腰の部分を担当した。「落としてけがをさせては絶対にだめですから」。熱狂と興奮の中でも冷静さを失わずに“要所”を抑えた。箱根駅伝には「有能な主務がいるチームは強い」という格言がある。その言葉を地でいく存在が高木主務だ。

　４月から三菱東京ＵＦＪ銀行に勤務する。「誠実な銀行マンになりたい。社会で人間力を高め、いつか…大学の駅伝チームの指導者になりたい」と夢を語る。将来、大学駅伝界に「半沢直樹」のような型破りの監督が現れるかもしれない。


http://www.hochi.co.jp/sports/feature/hakone/20150319-OHT1T50111.html

KAGEURA、涙目だな