■ シュタンゲ監督「日本とはレベルが違う、私たちは格下」

　日本の皆さまは明日からＷ杯の予選が始まるということで、非常に素晴らしい日になると思うし、日本サッカーにとって大きなイベントにもなると思う。私たちは自信を持って日本に来た。カンボジアを４−０で下している。これが持つ意味が具体的にどういうものかはまだ分からないが、ただ勝利を収めてきた。私たちは日本とはレベルが違うし、格下だとも思っている。でも、落ち着いて自分たちにできることをしっかりとやれば、素晴らしい試合になると思う。

　すべてのゲームプランは選手の質によって決まってくる。日本の特質は、監督もコーチも選手もスタッフ全員が知っている。つまり日本はポゼッションが良い。そこが私たちにとって問題になる。ただ、選手たちにはとにかく落ち着けと言いたい。落ち着いて、くだらないミスをしないように。そして、私たちはしっかりとしたサッカーができるチームだということをきちんと見せようということを言って聞かせる。細かいプランは立てない。私はドイツのブンデスリーガでプレーしている日本の選手を全員知っている。細かいことを考えても無駄だ。たくさんのゲームプランを考えても、それも意味がない。自信を持って、とにかくサッカーをするということが大事だ。

　失点をしたらゲームプランを変えるかという質問に対しては、変えない。明日の試合はカンボジア戦とまったく違う。カンボジア戦はとにかく点を入れようと積極的に動いた。６万３０００人の観客で埋まった人工芝のスタジアムで大変熱かった。カンボジア戦も決して楽な試合ではなかった。ただ、その経験を踏まえて明日はオープンな試合をしようと思うほど自分たちはクレイジーではない。ちゃんと考え、自分たちのサッカーを理解してプレーする必要がある。また、サッカーは短距離走ではなく、一人で走るものでもない。１１対１１の戦いだ。日本は質の高い選手がそろっており、そのプレーヤーたちをリスペクトしている。でも決してあきらめない。選手たちにはこう伝える。世界でトップクラスの相手と戦えるのだから、ぜひ楽しんで、そして楽しい試合をしようと。ドルトムントやＡＣミランでプレーをしている選手たちがいるチームと、自分を見失わないで試合をしようと言いたい。