トップページ
(負荷軽減のため省略中)


[ 2015年07月31日 - 01:19 ]

【ドイツ2部で戦術革命、衝撃の“4-2-2-2”】

■ http://number.bunshun.jp/articles/-/823812

「プロフェッサー」と呼ばれる男が、戦いの最前線に戻って来た。

 ラルフ・ラングニックは2011年9月に燃え尽き症候群に陥ってシャルケを辞任すると、現場からは距離を置き続けてきた。2012年7月、レッドブルが運営する2つのクラブ、「レッドブル・ザルツブルク」と「RBライプツィヒ」を束ねるスポーツディレクターになったものの、あくまでオーガナイズ役だった。

 両クラブのために戦術書を作って配り、「タレントに投資してさらに高く売る」という独自の移籍戦略を推し進めた。

 その結果、選手だけでなく監督も育っており、ロガー・シュミット(現レバークーゼン監督)やアレクサンダー・ツォルニガー(現シュツットガルト監督)は“ラングニック学校”の門下生だ。
これはただの、ドイツ2部の監督人事ではない。

 元々ラングニックは、今季からザルツブルクは教え子に任せ、ドイツ2部のRBライプツィヒのスポーツディレクター職に集中する予定だった。ライプツィヒを本格的にレッドブルの看板クラブにするためだ。

 ところが、新監督として交渉していたトーマス・トゥヘルをドルトムントに奪われ、さらにホッフェンハイムのギズドル監督の引き抜きにも失敗した。そこで「第3の選択肢」として、自らがスポーツディレクターと兼任でライプツィヒの監督を務めることになったのである。

 これはドイツ2部における監督人事にすぎず、普通ならば大したニュースにはならないだろう。

 だが、ラングニックはただの監督ではない。イタリアのアリゴ・サッキすらも太鼓判を押す、戦術界の常識の破壊者なのだ。今も、約3年間スポーツディレクターとして“実験”してきた成果をピッチにぶつけようとしている。

ピッチのサイドを侵入禁止にしたうえでの練習。

 まず選んだシステムは、4-2-2-2だ。

 特徴は「2人の10番」と呼ばれる左右のMFにある。守備時はワイドに開いているが、攻撃時はまるでトップ下のように中央に寄ってプレー。そして、空いたサイドのスペースには、両サイドバックがオーバーラップする。攻撃時に限れば、2-2-4-2と記す方が正確かもしれない。

 なぜ、こんなシステムを採用するのか?

 理由は単純。ラングニックは「回り道をするサイド攻撃」よりも、「手数の少ない中央攻撃」を重視しているからである。

 たとえば昨季、ラングニックの指示によって、レッドブル傘下のクラブでは次のような特殊なピッチで紅白戦が行われていた。

 ペナルティエリアの角から外側に向かって斜めに線を引き、切り取られたサイドのエリアは侵入禁止ゾーンとするのだ。そして、そのゾーンの境に、壁パスをするための選手を立たせる。

 この条件設定によって、選手は中央を攻めざるをえず、自ずと安易なサイド突破に頼らないようになる。つまり、サイドに寄り道をせず、真っすぐにゴールに迫る習慣が身につくということだ。

 ラングニックは、中部ドイツ新聞のインタビューで新布陣の意図をこう説明した。

「4-2-2-2は各選手への要求が多い。だからこそこれをマスターしておけば、いつでも4-2-3-1や4-3-3へ移行することができる」
守備時のDFラインはセンターラインまで上げる。

 守備時の約束事も極端だ。

 ボールを失ったときに、なるべく高い位置からプレスをかけるために(いわゆるゲーゲンプレッシング)、DFラインの選手はセンターラインぎりぎりまで上がることが求められる。

 さらに相手が1トップの場合、センターバックは横関係で挟むのではなく、縦関係でサンドウィッチするのが基本ルールだ。1人のセンターバックが前に立ち、もう1人が後方に立って挟み込む。クライフ時代のバルセロナにおける、グアルディオラとクーマンの関係と同じだ。

「チームをシンクロさせる」という監督業の真髄。

 ボールとは反対側にいるサイドハーフとサイドバックへの要求も高い。布陣をコンパクトにするために、ピッチを縦に割った中央まで寄せることが求められる。

 これを理解させるために、ラングニックの戦術書では、ピッチの縦半分のところに線が引いてあるそうだ。ボールと逆サイドにいるサイドハーフとサイドバックは、常にそこまで寄らなければならない。

 イメージとしてはピッチの右上、もしくは左上の4分の1のエリアに全員が集まる感じだ。サイドの選手には、とてつもない運動量と速さが求められる。

 ラングニックは、キッカー誌のインタビューでこう説明した。

「私が目指しているのは、なるべく高い位置でボールを奪い、瞬時に切り替え、なるべく速くゴールに迫るサッカーだ。相手に攻めるチャンスを一切与えない。アリゴ・サッキは私に電話で『監督の仕事は、チームをシンクロさせることだ』と言った。選手全員が同時に同じ考えを持つようにするということ。この一言に監督業の真髄が凝縮されている」

 極端で斬新な戦術だが、同時に普遍性もある。だからこそ、今までラングニックの下で鍛えられた選手たちに、高値がついてきたのだ。
ピッチ内だけでなく、移籍戦略も天才的。

 ホッフェンハイム時代の教え子で言えば、100万ユーロで獲得したグスタボが1700万ユーロでバイエルンへ、800万ユーロで獲得したカルロス・エドゥアルドが2000万ユーロでルビン・カザンへ、そして今夏、元々400万ユーロだったフィルミーノが4100万ユーロでリバプールへと旅立った。フィルミーノの移籍金は、ブンデスリーガの新記録だ。

 レッドブル・ザルツブルク時代にも、マネとカンプルの売却で2000万ユーロの移籍金をもたらしている。ピッチ内の戦術だけでなく、移籍戦略も天才的だ。

「私たちはこの選手は伸びると思ったら、他の人間がつけた値段より高い移籍金を迷わず払う。その後、間違いなく値上がりするからだ。だから誰も知らないような選手を狙い続けている。たとえば今夏にトルコから500万ユーロで獲得したDFのヌカンは、左利きで196cmあり、足が速い。プレミアが好きなタイプだ。ライプツィヒで経験を積めば、きっとプレミアが大金を払ってくれるだろう」

 今季、ライプツィヒはドイツ2部の優勝候補の筆頭にあげられている。

「私たちは若くて、モダンで、魅力的なチームだ。本気で楽しいサッカーを目指している」

 1年後、ドイツ1部への昇格を果たし、新たな戦術がブンデスリーガを席巻するかもしれない。



スレッド作成者: 南野拓実 (CJDYYMIslcE)

このトピックへのコメント:
お名前: コメント: ID Key: IDを表示
悪質な誹謗・中傷、読む人を不快にさせるような書き込みなどはご遠慮ください。 不適切と思われる発言を発見した際には削除させていただきます。
Barnypok (12/28 - 21:53) qIUHCxAOv
(08/02 - 23:41) まあ見出しは大事だからな
(07/31 - 20:12) せやろか
(07/31 - 19:14) CMF=ボランチと考えている人たちが書いているのだからこんな記事になるのも無理もない。
(07/31 - 16:20) ウッチー…
(07/31 - 15:37) ヨーロッパではあまり見ないというだけの事で別に革命的というほどのものじゃない
(07/31 - 15:15) まあ、見てみたい気はしてきたよ、これ読んで。ただ守備のときはワイドに開くのにプレスのために中央まで寄せてるとか、その辺はあまりわかんなかったけど。だからこそ実物が見たい。
(07/31 - 13:31) 守備時には442で、攻撃時に2242になるってことでしょ?守備時のフォメを呼ぶのが、この世界の常識なんだがな。だいたいゲーゲンプレスするのに4222みたいな縦に長いフォメだったら、選手が死んじゃうよ。いろいろごっちゃにしてアゲアゲな記事書いてんじゃねーよ、クズ
(07/31 - 13:21) 革命的ではあるよね。ヨーロッパじゃまず見ることがないフォーメーションだから
(07/31 - 10:54) 4-2-2-2って4-4-2じゃないの?
(07/31 - 08:21) 実況でボソボソなに言ってんだかよく分からない地味なヤツか。ドイツサッカーが好きというだけで仕事になるんだからある意味大したもんだ
(07/31 - 08:00) で昇格逃して解任かな
(07/31 - 07:56) 革命ワロタ
(07/31 - 07:20) 単に4と書くか2-2と書くかの違いでしかない気がする。その上での実際の動きなんてチームごとに違うだろうし。ていうか数字で分けるのがすでに前時代的かもね
(07/31 - 05:20) 事大に書きたがるよね、木崎って。
(07/31 - 04:50) この戦術のどこが革命なんだよ
(07/31 - 02:16) やっぱり木崎かよ。こいつは“絵”を描きたいだけで本物のサッカーを全然わかってない。プレー経験もほとんどないだろ。フィルミーノとラングニックなんて在籍時期ほとんど被ってないのに勝手に結び付けやがって・・・
(07/31 - 02:05) 4-2-2-2ってブラジルのチームが割りとよくやるよね
(07/31 - 01:36) ホッフェンハイムの時は23歳以下の選手しか基本獲らなかったよね
誰も知らないような選手を狙い続けている (07/31 - 01:20) 南野と奥川雅也もレッドブルから目を付けられたってことは大成するな