■ プレミアリーグ創設1992年から23年。今年で24シーズン目を迎える。「魅せるプレイで沸かせたテクニシャンTOP10」というコラム記事があった。

10位:ポール・スコールズ（マンチェスター・ユナイテッド）△

彼はプレイメイカーであり、オールラウンダーでもある。キックの正確性だけでなく、技術やプレイビジョンにも優れていた近年イングランド人最高の選手である。しかし、彼が魅せるプレイを好んでいたか、得意としていたかは疑問だ。

9位:ルイス・スアレス（リヴァプール）△

彼は生粋のストライカーでありながら、前線からの献身的なプレスも、相棒を生かすアシスト能力も有するオールラウンダーなフォワードである。南米特有の意外性を持ち合わせてはいるが、テクニシャンという言葉はあまり似合わない。

8位:ライアン・ギグス（マンチェスター・ユナイテッド）○

彼は生まれながらのドリブラーでありながらも、キャリアの晩年は中盤でプレーメイクも難なくこなした。サイドを制するウィンガーであり、技術に秀でたミッドフィルダーでもあり、プレイスタイル的に観客を魅了するタイプの選手であったといえる。

7位：クリスティアーノ・ロナウド（マンチェスター・ユナイテッド）△

彼については評価が分かれるだろう。若かりし頃はボールを持ちすぎる傾向にあり、それは必ずしもチームのためになっていたとは言い難い。むしろ抜群のフィジカル、強烈なシュート、並はずれたシュート技術、こういった能力の継続性に裏打ちされた得点力の向上こそが、今の彼の評価を築いたはずだ。

6位:ティエリ・アンリ（アーセナル）△

彼のプレーは非常にエレガントだった。魅せるプレーヤーだった、とはいえるだろう。しかし意外性のあるプレーを好むタイプのテクニシャンかどうかは疑問である。彼のプレースタイルの特徴は、エレガントであったと同時にシンプルでもあった。彼は自分の得意とするスタイルでゴールを量産したのだ。

4位:エリック・カントナ（マンチェスター・ ユナイテッド）○

彼は強烈なキャラクターと卓越した技術を兼備するプレミアリーグ屈指のテクニシャンといえるだろう。過去20年間のプレミアリーグに限れば、「魅せるプレイで沸かせたテクニシャン」の代表格の一人といえそうだ。

3位:ジャンフランコ・ゾラ（チェルシー）○

彼は小柄なテクニシャン・タイプのプレイヤーであり、典型的なイタリア人ファンタジスタだ。おそらくは過去20年間のプレミアリーグで「魅せるプレイで沸かせたテクニシャン」という言葉が最も似合うプレイヤーだったといえそうである。

2位:マット・ル・ティシエ（サウサンプトン）□

彼は知らない。残念ながらプレイを観たことがないのでコメントを控えさせてもらいたい。ただ、個人的に、この手のランキングで上位として真っ先に思い浮かぶ選手は、イタリア人のパオロ・ディ・カーニオであることも付け加えておきたい。

1位:デニス・ベルカンプ（アーセナル）

彼は卓越したテクニックと意外性のあるプレイで間違いなく世界中の観客を魅了した。テクニシャンの少ないイングランドの地で「魅せるプレイで沸かせたテクニシャン」のNo.1に選ばれたのも必然だろう。テクニック、フィジカル、アイデアを兼ね備えた天才である。

【番外編】

近年のプレミアリーグには技術力に秀でた外国人選手、特に南米やスペインのタレントが多く参入している。シティには前線を牽引するアルゼンチンのアグエロとスペインのシルバがいる。現在ユナイテッドに所属しているスペインのマタもチェルシー時代はゾラの再来のようにサポーターから愛されていた。
多くのテクニシャンを有するアーセナルではスペインのカソルラとドイツのエジルの技術が卓越している。チリのサンチェスも一つのプレイで観客を魅了する怪物だ。チェコのロシツキーも忘れてはいけない。スパーズに所属していたクロアチアのモドリッチやウェールズのベイルの名前も挙げないわけにはいかないだろう。
他にも、将来を有望視されるベルギーのデブライネとアザ―ル、リヴァプールで急成長を遂げているブラジルのコウチーニョ、今パッと思いつくだけで、こんなに多くのテクニシャンがいる。過去の偉大なプレイヤーの軌跡を振り返ることもフットボールの楽しみの一つだが、現代のフットボールで輝きを放つテクニシャンと見比べてみると、より新しい発見があｔるかもしれない。