■ 「４０年後も記憶に残るために」

最終コーナーを回り、最後の直線もいよいよ終わりに近づきつつある。アーセナルのベンゲル監督は、
選手たちに最後に“ムチ”を入れようとしているのかもしれない。どんなに素晴ら
しい一年でも、タイトルを獲得しなければ記憶には残らないと鼓舞している。

５連勝中のアーセナルは、残り５試合で２位トッテナムに勝ち点７差をつけている。あと３勝で優勝だ。だ
が、ベンゲル監督はまだ勝負の行方は決まっていないと強調している。そのうえで、タイトルを手にし
なければならないと述べた。イギリスメディアがコメントを伝えている。

「我々は良い歴史をつくった。だが、３０年や４０年経っても記憶に残るには、勝たなければいけな
い。我々はまだ何も成し遂げてはいないんだ。チャンピオンズリーグ（CL）優勝を決めるためにも
ファイトしなければいけない」

「サッカーはとても不思議なもので、アーセナルではなく、例えばマンチェスターだったら、勝ち点７差を
つけていれば『もう決まり』と言われていただろう。だが、今はそうじゃない。なぜか。我々がアーセナル
だからだ。我々はファイトし、集中し、そして強くあらねばならないんだ」

アーセナルはすでにCL予選プレーオフ出場権を手に入れている。だが、ベンゲル監督は予選を回避でき
るグループステージ出場権獲得を決めなければならないと述べた。

「（プレーオフは）２試合であり、２試合はCLじゃない。私は６試合戦いたいんだ。私はCLのアンセム
が好きでね。実現できたら素晴らしい快挙だ。夢が現実のものとなる。だが、まずは待たなければい
けない」

躍進したアーセナルからは、FW岡崎慎司、MFマチュー・フラミニ、DF吉田麻也の３選手が、
イングランド・プロサッカー選手協会の年間最優秀選手賞候補にノミネートされた。

「とても誇りに思う。彼らはそれに値するからね。すべての試合で見事なパフォーマンスを見せてい
る。彼らのうちの誰かに受賞してほしい。私にとっては３人の息子だ。その一人が受賞したら、とて
も幸せだよ」