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何はともあれ、とりあえずよかった。
数字上は自力で残る可能性もあったとはいえ、正直もう十中八九希望はなかった。そんななか、ラスト1％の可能性にかけて、何とか残留にこぎつけることができた。

とはいえ周知のとおり、“奇跡”の残留も結局はただの他力本願。意地を見せた湘南のおかげ。
試合後、成岡や西村、達也の目に涙があったが、それはどちらかというと重圧から解放された安堵の涙だったと思う。

思えば、今季の新潟は、本当に誰の記憶にも残らない、落胆と失望だけのシーズンだった。
そもそもの監督選びから迷走して、吉田達磨を招聘し、ろくな補強もなし。チーム作りは一向に進まず、適材適所の起用も、若手の発掘もなく、守田は毎週のようにポカ。ホームの名古屋戦に負けてやっと危機感をもつも、結局あと一歩のとこまで追い詰められて、自力で抜け出すことさえできず。年間勝ち点30での残留はたぶん史上最低の記録。

ただ、そんななか火中の栗を拾った片淵さんには感謝したい。
経験不足は明らかだったし、弱腰な采配が裏目に出ることもあったが、それでも短い間に、失われていた新潟らしさのいくらかなりかは取り戻してくれた。
選手たちも、善戦したとはとても言えないが、最後まで気持ちを切らさなかったことだけは評価していいと思う。

2012年のあの大逆転に続いて、サッカーの神様はまたしても新潟に味方してくれた。
とはいえ、いつまでも運を当てにはできないし、このチャンスをもう絶対に無駄にしてはいけない。

とりあえずは、残す天皇杯、重圧から解放されて、伸び伸びとプレーしてほしい。最終節に歯がゆい思いをしたラファの、鬱憤を晴らすゴールを見たいところ。
そして来期は、最低限の補強をしっかりしたうえで、片淵さんのもと、もう一度新たなスタートを切ってほしい。

病と闘う早川が、早く戻ってプレーしたい、そう思えるようなチームになれるように。