■ 「ハリルの“賭け”が通じた」「“幸運のPK”で勝利」…韓国メディアは日本対サウジ戦をどう報じたのか
慎武宏 | ライター/S-KOREA編集長
2016年11月16日 11時38分配信
韓国取材に来ている。
もちろん、サッカーW杯最終予選の韓国対ウズベキスタン戦のためだが、日本対サウジアラビア戦に関しては、こちらでも詳しく報じられている。
例えば、「逆転負けの衝撃を忘れた日本、“無敗首位”サウジを倒して本軌道」と報じたのは『OSEN』だ。
「去る9月1日は日本にとって悪夢のような日だった」とUAE戦を振り返った同記事では、「憂慮は杞憂だった。日本はその後、うなぎ上りだった」「日本は“難敵”サウジアラビアまで下し、本軌道に乗った」と、日本が本来の姿を取り戻したことを強調した。
目立つのは、「日本、ハリルの“賭け”が通じた…本田と香川を外してサウジ撃破」(『スポーツQ』)などと、ハリルホジッチ監督の手腕を称賛する記事かもしれない。
『Xportsnews』も「変化を選んだハリルホジッチ、日本は正常軌道に乗った」と見出しを打ち、「(ハリルホジッチ監督は)これまで日本代表チームの柱として活躍してきた香川真司と本田圭佑をスタメンから外す破格的な変化を選んだ」「重要な一戦となった今回のサウジアラビア戦で、出場メンバーを大きく変化させる勝負手を打ち、勝利をおさめて危機を脱した」としながら、「新しい変化を選択したハリルホジッチは、結局自分の能力で危機を脱した」と締めくくった。
ハリルホジッチ監督は韓国と因縁深いだけに、韓国メディアの注目も相変わらず高いようだ。
試合後すぐに「サウジに勝ったけど…日本のサッカー協会、ハリルの指導力再評価着手」(『聯合ニュース』)と報じるメディアも少なくなかった。
スタメンを大幅に変更するという話は、試合開始前から注目されていた。
「危機の日本、サウジ戦スタメン発表…本田、香川除外」(『InterFootBall』)、「日本メディア“サウジ戦は本田、岡崎、香川全員がスタメンから除外」(『スターニュース』)。
韓国でも日本の欧州組に対する注目度は高いわけだが、特に香川には異様なほど関心が集まる。
香川に対して韓国サッカーファンは、「最初は凄かったけど、成長が止まってしまったんだな」と容赦なく厳しいのだ。
また、韓国メディアは「“幸運のPK”で日本、サウジに2対1の勝利」(『スポーツ朝鮮』)、「崖っぷちの日本を救った誤審ペナルティーキック」(『スポーツ韓国』)などと、前半45分に日本が奪ったPKの判定についてもチクリ。
『スポーツ韓国』の同記事では、「清武弘嗣の先制ゴールと原口元気のゴールでサウジアラビアを2-1で下した」としながらも、「ただし勝利の土台となった清武の先制ゴールには議論の余地が多分にあった」「腕ではなく肩のほうに当たったにもかかわらず、ハンドとなってペナルティーキックが宣言された」などと報じている。
今回の最終予選で、同じような歩みを見せている日本と韓国を比較する記事も多い。
『韓国スポーツ経済』の「2018ロシアW杯最終予選、韓国と日本の同じような歩み」という記事をはじめ、「韓国が2位になった日、日本も2位になった」(『ノーカットニュース』)という記事では「やっぱり“ライバル”らしい。韓国と日本が並んで“危機脱出”に成功した」と強調されている。
『ハンラ日報』も「韓国・日本、崖っぷち脱出平行理論?…ウズベキスタン・サウジにそれぞれ勝利」と見出しを打ち、「試合を見守ったファンたちは勝ったという点では安堵したものの、守備陣の不安に腹を立てている。落ち着いて見ていられる試合ではなかったという反応が多かった」と、日韓共通の不安点を分析した。
毎度のことながら、両国の比較は避けられないのだ。
強敵サウジアラビアを下し、2位に浮上した日本。
同じくウズベキスタン戦を制して2位となった韓国。
まだまだ両国ともに安心できる段階ではなく、「韓国は三つ巴、日本は四つ巴…最終予選、依然として“薄氷”」(『スポーツソウル』)であることは間違いないだろう。
[ 2016年11月16日 - 11:59 ]
【韓国メディアは日本対サウジ戦をどう報じたのか】
このトピックへのコメント:
(11/16 - 13:21) あのPKがなかったらまた別のチャンスで点が決まっていた。それくらいチャンス作ってたし、運命とはそーいうものだ