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[ 2016年11月18日 - 10:30 ]

【日本代表の新監督候補はこんなにいる】

■ ハリル解任に備えあれば憂いなし。 日本代表の新監督候補はこんなにいる
杉山茂樹 | スポーツライター
2016年11月18日 8時30分配信

W杯予選の最中に日本代表監督が交代したのは19年前に遡る。

98年フランスW杯アジア最終予選。加茂周から岡田武史への交代だ。

実行されたのは全8試合中、4試合を消化した折り返しのタイミングだった。

その時、日本の順位はグループ3位(勝ち点5)。

プレーオフ(別グループの2位チームと戦う)進出圏内の2位はUAE(同7)で、勝ち点2のリードを許していた。

監督交代後、日本は残る4試合で勝ち点8を積み上げて2位に滑り込み、ジョホールバル(マレーシア)で行なわれたイランとのプレーオフに進出。

そこで逆転勝利を飾り、W杯初出場を決めた。

ハリルジャパンを取り巻く状況とよく似ている。全10試合中、4試合を消化して3位。

15日のサウジアラビア戦が折り返し地点だ。その結果、2位以内に収まることができるか。

19年前に従えば、もしそれができなければ、交代のタイミングが訪れることになる。

次の試合は2017年3月。”それなり”の実力者を探す時間は十分ある。

加茂さんから岡田さんへの交代は、コーチが監督に就任する内部昇格の人事だった。

今回に落とし込めば、ハリルホジッチから手倉森誠コーチへのバトンタッチになる。

だが、19年前は時間がなかった。時間がたっぷりある今回、それは後ろ向きの選択だろう。

起爆剤としては弱々しい。ここでは目を世界に向けるべきなのだ。

というわけで、万が一に備え、ここでは仮の話をしてみたい。

サッカー協会に前向きな思考を促す意味でも、だ。それなりの監督で、いま空いた状態にあるのは誰か。

考えられる範囲で一番の大物は、フース・ヒディンク(オランダ、現チェルシー・アドバイザー)だ。

その過去の栄光について、いまさら述べることは控えるが、苦境に立ったチームを蘇らせた実績だけを見ても、他者の追随を許さない。

かつてこちらのインタビューに「W杯は、サッカーに関わる者として、チャンスがあればぜひ参加したい大会だ」と語ったこともある。

だが彼は、ジョゼ・モウリーニョの解任を受け、チェルシーの暫定監督に就任した昨季を最後に、監督業を引退したと見られている。

過去にもそう言いながら、何度も復帰を果たした事実もあるが、まもなく70歳という年齢に若干引っかかりを覚えることは確かだ。

もう一つの心配は韓国との関係だ。

ヒディンクは2002年日韓共催W杯で韓国をベスト4入りさせた同国の英雄。

そのライバル国である日本とプレーオフで対戦することになれば(韓国は現在A組3位)、英雄は一転、悪役に回る。

そのリスクにヒディンクが立ち向かうエネルギーがなければ、可能性は激減する。

コンセプトは従来通り、攻撃的サッカーであるべきだ。

そもそも世界的にそれ以外(守備的サッカー)が占めるシェアは1〜2割。

つまり、攻撃的サッカーはもはや当然すぎて死語に近い。世の中はそのディテール勝負の時代だ。

その中でもよりよいもの、つまりハリルホジッチのサッカーを一歩も二歩も昇華させてくれる監督を探し求める必要がある。

ヒディンクよりハードルの低い大物に目を凝らせば、バルセロナの元監督、フランク・ライカールトのもとで助監督の立場ながら、事実上の監督として作戦を練ったヘンク・テンカーテ(オランダ)が浮上する。

昨季、アルジャジーラ(UAE)の監督を退任し、現在はフリー。

今日のバルサの礎を築いた戦術家に打診しない手はない。

そのバルサ時代に話を聞けば、「実情は、日本に住む知人経由で常にチェックしている」と、日本に強い関心を示していた。

「ディフェンス(プレス)組織の立て直しなら、2〜3カ月あれば十分」と、当時の日本の問題点を指摘し、解決可能だと言い切っていた。

その頼もしさにかけて見る価値は十分ある。

ヒディンクと同年代(69歳)ながら、昨季まで、セリエAのクラブを中心に監督を務めてきたズデネク・ゼーマン(チェコ、イタリア)もコンセプトに合致する監督だ。

守備的サッカーに支配されがちなイタリアにあって約35年間、攻撃的サッカーを唱え続けてきた反骨の士。

その筋金入りの意気地に信頼感を抱かせる。

ともすると気むずかしそうな反面、カリスマ性は満点。先述の2人と同様、説得力のある理論や言葉も持ち合わせている。

ハリルとの最大の違いだが、現在の路頭に迷ったような攻撃的サッカーを、正しい方向に導く人材として適任だと思う。

日本への関心がどれほどあるか。問題があるとすればそこだ。

気むずかしそうでカリスマ性に溢れる大物監督と言えば、新監督探しのたびに理想の人物として名前が挙がるマルセロ・ビエルサ(アルゼンチン)だ。

今季初め、ラツィオの監督に就任したと思ったら、わずか2日で退任。

その後、どこかの監督に就いた形跡はない。タイミング的には絶好の機会。

いまの日本に最も必要なのは理屈だ。

優勝に縁遠い監督と言われるが、正しい理論こそが、新たなエネルギーを生む源だと確信する。

待望久しい人物を放っておく手はない。

若くて優秀。いまが旬の人材を求めるならば、今季初め、ビジャレアルの監督を解任されたガルシア・トラル(スペイン)がまず頭をよぎる。

なにより昨季、プレッシングを最大の武器に、チームを国内リーグ4位に押し上げた手腕が光る。

アトレティコ・マドリードのシメオネサッカーを連想させる、相手ボール時に強さを発揮するサッカーこそ、日本につける薬としてうってつけだ。

昨季、オリンピアコスの監督としてチャンピオンズリーグ(CL)に出場。

グループリーグでバイエルン、アーセナルを向こうに回し、いいサッカーを印象づけた39歳の若手監督、マルコ・シルバ(ポルトガル)も狙い目だ。

グループリーグ3位で敗退するも、アーセナルとは同ポイント。アウェー戦で2−3の勝利も飾った。

その前のシーズンのCLにはスポルティングの監督として出場。惜しくもグループリーグ3位になった実績がある。

ポルトガル人の監督は、欧州でいま一番、勢いがある。

今季の欧州カップ戦(CL、ヨーロッパリーグ)に出場しているその数は計9人。欧州一、いや世界一の人数だ。

そのうち国外クラブの監督は5人。この数も世界一だ。

ポルトガルはオランダとともに世界に冠たる海洋国家。

1543年に種子島に鉄砲を伝来したその血は、いま同国のサッカー監督にも受け継がれている。

日本は遠い国だからと、二の足を踏む気質はない。

監督を探すならば、真っ先に訪ねるべき国になる。

イビチャ・オシム、ハリルホジッチは、いずれもボスニア・ヘルツェゴビナ出身で、その後フランスに渡ったという点で一致する。

その流れで想起するのは、サフェト・スシッチだ。ハリルと同時期にユーゴ代表のエースとして活躍。

2014年ブラジルW杯ではボスニア・ヘルツェゴビナの監督として、アルゼンチンと2−1の接戦を演じている。

ハリルホジッチの前に、まず声を掛けるべきはこちらだったのではないかと、つい言いたくなる、いいサッカーで、だ。

ハリルホジッチも彼が自身の後任なら、納得をするのではないか。

そしてこちらの大本命を挙げてみたい。フアン・マヌエル・リージョ(スペイン)。

現在、清武弘嗣が所属するセビージャで、ホルヘ・サンパオリの下で助監督の任に就いている、スペインではつとに有名な戦術家だ。

15歳で監督になり、21歳で3部リーグの監督に。

そして29歳の時、自らの力で1部に押し上げたサラマンカの監督として、スペイン1部リーグの最年少監督記録を更新するという画期的な過去を持つ。

グアルディオラが師と仰ぐ人物しても有名だ。

「バルサのサッカーは私の息子のようなもの」とは、リージョの言葉。

「ゲームの中心は選手ではない。ボールだ。選手にはそのボールといかに共鳴するかが問われている」とは、こちらが実際に聞いた名言だ。

「スペインで教えることはあまりない。だから国外で監督をしたい。日本? いいね。すごく興味がある」という話まで聞きだしている。

現在、監督ではなく助監督という、多少、責任の低い立場にあるので、可能性は十分あると思う。

昨季をもってパリSGを退任した、ローラン・ブラン(フランス)、今季初め、インテルを解任されたロベルト・マンチーニ(イタリア)、ユーロ2016大会後にベルギー代表監督を退任したマルク・ヴィルモッツ(ベルギー)など、その他にも空いている人物は多々存在する。

監督解任論を唱えると、必ずや「ならば対案を出せ」と言って待ったを掛けようとする声が起きる。

そうした目に幾度となく遭った僕は、先日、『監督図鑑』(廣済堂出版)という新刊を出版し、対案を提示したつもりだが、制作しながら、候補者の多さに自分でもあらためて驚かされた。

対案は枚挙にいとまがない。問われているのは協会の決断と勇気。

そして探す力だ。繰り返すが、変えるならサウジ戦後が絶好の機会。

その結果と協会の出方には、とくと目を凝らしたいものだ。



スレッド作成者: わぉ (8310YTcBLGc)

このトピックへのコメント:
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(11/19 - 00:02) むしろ杉山を解任したいわ。サッカー界から追放で。
(11/18 - 19:12) ヴィルモッツが挙がっている時点で話にならない。
(11/18 - 17:31) 次回はビエルサがみたい
(11/18 - 16:41) サウジ戦は選手達の気迫が違った。あんな試合を見たかった。初戦に負けて もう一敗も出来ない試合が続いたハリルはホッとしてるだろう
(11/18 - 16:36) 16:23さん、16:26さん、ガルシア・トラルの解任理由の記述ありがとう
(11/18 - 16:26) サウジ戦終えてから解任論は聞かなくなったね。実際内容は良かったし。ガルシアトラルが解任されたのは成績不振が原因じゃないですよ。たしか八百長を匂わせるような発言を公の場でしてそれが原因で解任された
(11/18 - 16:23) ガルシア・トラルは選手や首脳陣ともめて辞めたはず
(11/18 - 16:06) ガルシア・トラルが優秀なら、「今季初め、ビジャレアルの監督を解任」されない。新監督候補についての杉山氏の個人的妄想。問題は、それらの監督とコネクションがあるのかどうか
(11/18 - 12:02) スシジャパンが響きがいい
(11/18 - 10:33) 備えあれば憂いない。 まで読んだ