■ 大幅に修正・加筆を加えた改訂版をリリースしました。感想や要望、クレームをお待ちしております。
「蜜壺症候群」
春の夕刻。愛人の退社を、オフィス横の公園で待つスウェット姿のフリーター風男。仕事帰りのサラリーマンがぞろぞろと帰路へと向かう中に、彼のお目当てリーマンは居た。
手を振ると愛人ヘンリクはハニカミながら千鳥足でやってきた。
「いつから待ってたんだよ。はえーよ(笑)」
「待ち切れなくてさ。ていうか酒臭いな。仕事中に飲むなよ」
男はヘンリクの手を引き、公園の便所へと駆け出す。
「おい、待てって。今日は汗びっしょりなんだ」
「構うもんか」
便所の扉を勢い良く開け、彼らは今日も愛し合う。
「アッー!」
ヘンリクがフィニッシュを迎える。
「気持ちよかったかい?」
男が尋ねるとヘンリクは息をゼェゼェ切らしながら答える「たりめえだろ。お前以上に相性の良い野郎はこの世にいねえよ。このそそり顔が」
彼はヘンリクの、このぶっきらぼうな優しさに惚れたのだ。
「さぁイタ飯でも食って帰るべ。クーポンあっから」
彼らはズボンのチャックを閉め、帰ろうと便所の扉を開ける。するとそこには30代とおぼしき厚化粧のOLが立っていた。
「えっ、ヘンリクさん・・・!そんなまさか。信じられない」
女が狼狽える。
「誰だよこのアマは」
男が横を見るとヘンリクが青ざめた表情で小刻みに震えていた。
「美智子さん、なぜここに」
その反応から男はここにいるOLがヘンリクの不倫相手であることを悟る。
「なんだよ、俺の他にも穴に突っ込む相手がいたのかよ。バイなんて聞いないよ」
愕然とした男はその場から立ち去ろうと歩き出す。
「待てよ関口!おい!待てってメンディ!」
ヘンリクの手を振りほどく。もうヘンリクの言葉はエイスメンディの耳には届かない。
「アッー!」
ヘンリクが今夜2度目のフィニッシュを迎える。美智子はそそくさとブラウスを直しながらヘンリクに尋ねる。
「さっきのボウズは放っておいて良かったのかしら?」
ヘンリクはぶっきらぼうに答える。
「構うもんか。あいつとは連れションしただけよ。ていうか俺は美智子さん一本だから。これガチだから」
「あら嬉しいわ。信じて良いのかしら」
「おうよ。さぁイタ飯でも食って帰るべ。ポッケにクーポン入ってんだわ」
ヘンリクは美智子の手を取り便所を出ようとする。「・・・!?」
便所をドアを開けると、そこにはニッカポッカ姿の中年男性が。
「ヘンリクさん。こんなところに居たんでぽっか。探しましたぽっか」
中年男性を目にして美智子が狼狽える。
「誰この人・・・」
横を見るとヘンリクが目をとろ〜んとさせ、猫なで声を上げている。
「遅えから間違って女を抱いちまったにょろ」
何を隠そう、その中年男性こそヘンリクの本命だったのだ。
「なによ。あんまり私をバカにしないで!」
美智子はその場から立ち去ろうと歩き出す。
「さっさと帰れクソ女装ヤロー。ジャングルの大木みてえな脚しやがって。脛毛くらい剃っとけ」
罵声を浴びせるヘンリク。もうヘンリクは美智子ことイサオ女装子には微塵の興味も無かった。
「アッー!」
ヘンリクが今夜3度目のフィニッシュを迎える。
「アッー!」
負けじとニッカポッカRevigoも腰を痙攣させ絶頂へ。
「ふう...。ところで先程のレディはどなたでぽっか?」
ヘンリクはまだイキ足りないといった感じでおもむろにリンボーダンスを披露。Revigoを誘惑しながら答える。
「知らないにょろ〜」
ヘンリクはRevigoのウナギに手を掛け二回戦へ進もうとする。そのとき
「・・・!」
便所のドアが勢い良く開けられる。そこには伝説的ホモサーファーNAGA♂の姿が。
「アッー!」
「アッーぽっか!」
2人の中年の男性のイキ声が便所で木霊する。今まさにヘンリクとRevigoがNAGA♂によって弄ばれていた。
「君たちここが僕のテリトリーだと知らなかったのですか〜っ?お仕置きですよ〜っ」
テクニシャンNAGA♂の通称・波乗りゴールドフィンガーは勢いを増していく。
「知らなかったにょろ〜ッ!もう満潮にょろ〜ッ!」
「ははは〜っ!ここの海には潮吹きするクジラさんがいるようですね〜っ!実にアッパレ!」
ヘンリクはもう限界のようだ。そのときRevigoが渾身の力を振り絞り、NAGA♂に覆いかぶさる。
「なにっ・・・!?」
一瞬の隙を突かれたNAGA♂。
「さぁ今がチャンスぽっかヘンリクさん」
「アッー!」
ヘンリクが今夜5度目のフィニッシュを迎える。Revigoがマウントをとり、ヘンリクが掘る。2人の中年男性の連携プレイにより伝説的ホモサーファーNAGA♂はついにアナルというホライズンを突破されてしまった。
「これからはアネさんの波にだけ乗っかります」
NAGA♂は涙を流しながらヘンリクの手を取る。そのとき再びドアが勢い良く開けられる。「・・・!?」
そこにいたのは二丁目のフィクサー辰巳だった。
「あんたら随分と盛り上がっとるようやないか。便所の外にまで鳴き声が響いとるで。アッシも混ぜてーや」
ヘンリク、Revigo、NAGA♂は顔を見合わせる。フィクサー辰巳の噂はホモを生業とする者なら誰もが知っていた。辰巳は異端のホモを処刑するギロチンとして恐れられ、辰巳に捕まったら最後、ハードな木馬責めに遭い尻からの出血多量であの世へイッてしまうこともあるらしい。しかし中年男性3人に逃げ場は無かった。
「アッー!」
「アッーぽっか!」
「アッー!ギモチイイーッ!」
3人の中年の男性のイキ声が木霊し、便所は地獄絵図と化していた。今まさにヘンリクとRevigoとNAGA♂が辰巳の木馬によって弄ばれている。
「オラオラオラオラ、振り落とされんようにしっかり掴まっときーや」
辰巳は木馬責めを加速させる。
「ヒヒーンもう限界突破にょろ〜!有馬記念マンセ〜!」
「オラオラオラ、アッシがあんたらをトウカイテイオーにしたるでーっ」
あの世イキにリーチが掛かったヘンリクはRevigoに目配せをする。そう、先程のような連携プレイで辰巳のマウントを取るのだ。Revigoは深く頷くと渾身の力を振り絞り・・・、ヘンリクに覆いかぶさる!
「・・・!?」
なにが起こったのかわからないという表情のヘンリク。
「さぁ今がチャンスぽっか辰巳さん」
「ア"ッーーー!」
ヘンリクの断末魔が便所に木霊する。その身を滅ぼす究極のオーガズム、あの世イキである。尻から大量の血を流しぐったりしたヘンリクを見て、辰巳は呟く。
「うまくイッたようやな。こいつは絶倫やからって男遊びをし過ぎた。そのくせ飯はクーポンで済ませようとするケチ野郎や。一体何人の男が陰で泣いたかわからへん」
RevigoとNAGA♂は大粒の涙を流しながら頷く。そう、ヘンリクはホモ界隈きっての問題児だったのである。3人の勇敢なる中年ホモの復讐劇は幕を閉じ、今宵再びホモ界隈に平和が訪れた。
(第一部・完)
第二部・予告
尻の割れ目だけで男を判別当出来る千里眼の持ち主、フォッサマグナKAGEURAが登場。そこに討魔師系オネェ・メディママデラックスが現れ、ホモ界隈が再び大荒れの予感・・・!?
[ 2017年05月12日 - 22:44 ]
(05/12 - 23:32) このそそり顔がw
(05/12 - 23:26) コテハン勢沈黙w
(05/12 - 23:04) ↑枝
(05/12 - 23:04) 新エンタメか
(05/12 - 23:00) ニッカポッカRevigoはとんだ食わせ者だな
(05/12 - 22:56) 「汗がびっしょりなんだ」→ 「構うもんか」 このくだりが特に面白い
(05/12 - 22:54) 話は別として、文章がもう少し洗練されるといいなぁと
(05/12 - 22:54) 素直にワロタ
(05/12 - 22:51) やっぱ辰巳ってすげえ
(05/12 - 22:51) なにこれ
(05/12 - 22:48) いま電車だから勘弁してくれw