■ ボンバーのパフォーマンス低下が深刻だ。マリノスはそろそろ決断を下すべきではないか。

マリノスのボンバーは、20日のベガルタ戦で出場も失点を防げず引き分けに終わった。これで、12試合で5勝2分5敗で失点12と悲劇的なレベルにある。この低レベルの成績は、単に「不調」だとか、「監督の戦術の選択肢が限られるため本来の力が発揮できない」などという水準ではない。

詳細を見て行くと、特に心配なのが低い得点数で1ゴールのみ。これは、昨季の34試合3ゴールと比較しても全く進歩が見られない。ちなみに田中マルクス闘莉王（36歳）はJ2とは言え15試合で7ゴールしており、それよりも相当劣る。また、ディフェンスラインで横パスを廻す機会が多いのもかかわらず、パス成功率は66.7%と低調である。空中戦には絶対の自身を持っていた筈だが、12失点の内5点はセットプレー或いはクロスから喫しており、ストロングポイントも霞んできていることが伺える。

日本では、ボンバーに関しては「39歳にして一対一の守備では強さを発揮」などとやたら絶賛モノが目に付くが、正直なところ事態は相当深刻だと思う。

J1は冷徹な実力世界だ。ぼくは、ここまでパフォーマンスが低下した選手がわずか11人のスタメンのひとつを占めたままにしておくのは、フェアではないと思う。いや、ぼくがそう思うだけではなく、早晩そういう意見はクラブ内やメディア、サポーターの中から出てくるはずだ。一般的には戦力外（ゼロ円提示）とならなければおかしいレベルだ。

もちろん、ぼくも含めみんなが彼の偉大さを理解しているし、彼を愛している。引退後は芸能界入りすることは間違いないだろう。しかし、これはそのこととは全く別次元で議論されるべきことだ。

ボンバーは常々40歳までプレーしたいと語っており、昨年末の契約更改では「年俸半額」を提示され「必要ないと言われたようなもの。マリノスで引退したいが、外へ行ってくれという意味なのか」と答えている。それだけ、自分のプレーに自信を持っているということだろう。彼のことだ。恐らく、40歳になっても肉体は今のシャープさをしっかり維持するだろう（足の遅さも若い頃からずっと変わらない）。しかし、そのパフォーマンスはその年齢までの現役継続を可能にするレベルではないことは、残念ながら事実だ。