■ 史上初のCL連覇だが騒ぐほどのことじゃない。近年のCLやリーガは、実質、レアル、バルサ、アトレティコの3つ、どこが優勝してもおかしくない状況が続いていた。アトレティコがバルサを叩いてくれたおかげでレアルが優勝できた、といっても過言ではないようなシーズンもあったよね。決勝でレアルやバルサとまともに張り合えたのもアトレティコだけ。

過去5シーズンのCL決勝

12-13 バイエルン（ドイツ） 2 - 1 ドルトムント（ドイツ）
13-14 レアル・マドリー（スペイン） 4 - 1 *延長 アトレティコ・マドリー（スペイン）
14-15 バルセロナ（スペイン） 3 - 1 ユヴェントス（イタリア）
15-16 レアル・マドリー（スペイン） 1 - 1 *延長PK 5 - 3 アトレティコ・マドリー（スペイン）
16-17 レアル・マドリー（スペイン） 4 - 1 ユヴェントス（イタリア）

このように過去5シーズンのCL決勝は、スペイン勢の優勝4回。そのうち同国対決の決勝も2回。唯一スペイン勢が決勝進出を逃した2012-13シーズンも、レアルとバルサは準決勝まで進んでいた。
なお、2013-14シーズンは、準々決勝でアトレティコとバルサの同国対決。2014-15シーズンも、準々決勝でレアルとアトレティコの同国対決。2015-16シーズンも、準々決勝でアトレティコとバルサの同国対決。2016-17シーズンも、準決勝でレアルとアトレティコの同国対決。
これだけ潰し合い対決が組まれていても、スペインの3強は、決勝進出数の合計10枠のうち6枠を占め、優勝回数の合計5回のうち4回を占めている。
ヨーロッパはいつからスペインの3強に支配されてしまったのか。これはおそらく躍進してきたアトレティコの存在に尽きる気がする。トロフィー数やトーナメント図を見れば、ヨーロッパの勢力図は非常にシンプルだし、おそらくレアルやバルサにとって最も厄介な相手はアトレティコであるからだ。
もっといえば、2009-10シーズンからリニューアルされたヨーロッパリーグでも、8シーズンのうちスペイン勢の優勝回数は5回。3強以外のクラブの実力こそが、リーグレベルを押し上げている、といえそうである。リーグ戦やコパデルレイでしのぎを削る欧州最強リーグの栄光はなかなか止められそうにない。

*過去5シーズンのリーガ優勝チームと2位・3位

12-13 バルセロナ 2位レアル・マドリー 3位アトレティコ・マドリー
13-14 アトレティコ・マドリー 2位バルセロナ 3位レアル・マドリー
14-15 バルセロナ 2位レアル・マドリー 3位アトレティコ・マドリー
15-16 バルセロナ 2位レアル・マドリー 3位アトレティコ・マドリー
16-17 レアル・マドリー 2位バルセロナ 3位アトレティコ・マドリー

*過去5シーズンのコパデルレイ決勝

12-13 アトレティコ・マドリー 2 - 1 延長 レアル・マドリー
13-14 レアル・マドリー 2 - 1 バルセロナ
14-15 バルセロナ 3 - 1 アスレティック・ビルバオ
15-16 バルセロナ 2 - 0 延長 セビージャ
16-17 バルセロナ 3 - 1 アラベス