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[ 2017年08月19日 - 00:32 ]

【夫婦の中のよそもの】

■ 映画監督、俳優として十分に名を馳せているエミール・クストリッツァは、ノースモーキング・オーケストラの一員としてミュージシャンとしても活躍?してきたわけですが、このたび作家デビューも果たしました。
というので、邦訳『夫婦の中のよそもの』を読んでみました。
期待通りの、映画的で、血と涙と狂乱と喧騒が吹き荒れる悲喜劇(私の感想としては思いのほか「悲劇」要素が強い)の短編連作をこの世に送り出してくれたものです。

今秋に日本でも公開される新作映画「オン・ザ・ミルキー・ロード」はこの短編集の中の一篇『蛇に抱かれて』を原作としているようです。…といっても微妙に設定を変えています。
読んだ限りでは、一途な恋と旧ユーゴスラヴィア紛争の”美しい村は美しく燃える”的な騒乱のストーリーとなるこの作品の登場人物は、十代かせいぜい二十代の若者だろうと思い浮かべていたのですが、映画のキャストは、クストリッツア自ら主演するし、ヒロインはモニカ・ベルッチ、ライバルのザーガ(←ツェスカのザゴエフみたいじゃないか!)がミキ・マノイロヴィチだというので、ええ?!皆さん五十代ですよね?どっちかというと酸いも甘いも噛み分けるような縺れる愛の世界??クストリッツア本人はともかく、ベルッチもマノイロヴィチもとてもいい役者だとは思いますが、想像していたのと全然違うかなあ、と戸惑いが生じてしまいました。でも観に行くけど。

この作品にしても、他の連作短編にしろ、そこはかとなく、或いは露骨に、クストリッツア映画の場面が目に浮かび、脳内にウンザウンザが響き渡ります。
おまけにディナモ・ザグレブだのFKサライェヴォだの、果てはアシム・フェルハトヴィチのハットトリックなどサッカーネタがちりばめられています。
こういうのを胸熱っていうのではないでしょうか…。
バルカンサッカーファンなら必読といってよいでしょう
ただ、しかし、でも。
ノスタルジックでほのぼのな話ではなくて、悲しくて残酷な面は避けられませんので覚悟してかかりましょう。




スレッド作成者: チェレヴィチキ (xl3xnVnN0l. / zfxXdyKnfOE)

このトピックへのコメント:
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(08/19 - 14:06) ふむふむ、参考になります
( ゜ё゜) (08/19 - 12:45) 夫婦の中でよそうものに見えたぞぉ
(08/19 - 08:33) あと、クストリッツァ新作公開に併せて「アンダーグラウンド」完全版(314分)をはじめ旧作一挙上映もあるようです。http://realsound.jp/movie/2017/08/post-100410.html 「パパは出張中!」「ドリー・ベルを憶えてる?」は今回も上映されないのは残念
イサオ (08/19 - 04:22) なるほど。相当良いらしいから楽しみだな。
(08/19 - 01:33) 未見です。一般公開されそうだと踏んでいました。
イサオ (08/19 - 01:12) あ、そうだチェレさんに聞きたいことがあった。来月公開の『サーミの血』って既に観てる?前に東京国際映画祭でやってたやつだけど。
(08/19 - 01:08) 短編連作なのでガッツリ読むって感じじゃ全然yなくて、さらっと、ですよ。彼の映画の如く、どれも無暗にエネルギッシュでぐいぐい読めちゃう。
(08/19 - 00:53) コークさん(笑)
コーク (08/19 - 00:46) てかチェレニキじゃねーかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwワイTwitter始めたからフォロー頼んだで〜wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwワーッハッハッハwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
コーク (08/19 - 00:45) ↓ふぁーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
エイスメンディ (08/19 - 00:43) 読みたいけど時間がないんですよねぇ。いや、フォリにちょくちょくくる時間は作れるんですけど、ガッツリ小説を読むって時間がほとんど取れない。ニートになりたい今日此頃。