■ KAGEURA主役のサイコスリラー
影之浦・・・本作の主人公
瀬矢奈・・・影之裏の彼女
万田忠夫・・・影之浦の後輩
清水もこみち・・・影之浦の友人
疑念が確信に変わったのは万田忠夫との会話がキッカケやった。
「昨日は大活躍でしたね。影之浦さん」
「なんのことや?」
「昨日のボーリング大会ですよ。影之浦さんああいうの参加しないと思ったのに、突然乱入してきたかと思えばハイスコア取っちゃうんだもんなぁ」
ワイは万田の顔をじっと見つめながら話の真偽を確かめる。まだまだ表情にあどけなさの残るこの万田という新入りがアホであることには違いない。やからこれが冗談にせよ、嘘を喋るときには必ず表情筋がぎこちない動きをしよる。
しかし、ワイの見たところ、こいつの言葉はシロやった。
「せやな。ところでそれどんな奴やった?」
万田は間の抜けたような顔をした後、ワイを指差しながら笑った。
「こういう人ですよ。たまには面白いこと言いますね影之浦さん」
「やからさん付けやなくて先輩言えや」
昨日の晩から勢い良く降り始めた雨はまる一日止むことがなく、ワイは行きと同じように帰り道も傘を差さんとあかへんかった。自宅を目指す道中、ふとビルの窓ガラスにワイの顔が映る。中々のイケメンや。ワイは自分の顔を凝視した。今まで認めたくはなかったんやが、どうにもワイと同じ顔をした人間がワイの周囲を荒らしとるみたいやな。
気味が悪くなったワイは足が立ちすくみ、そのビルの中に店舗を構える大戸屋で心を落ち着けることにした。瀬矢奈には「飯は外で済ませてくる」と伝えてあるから問題はない。
チキンかあさん煮定食をオーダーしたあと、ワイは無性に実家が恋しくなった。ワイの実家とは愛媛にある蜜柑農家のことや。子供の頃はワイも蜜柑を立派に育てる一流の農家になると思ってたんやが、いつの間にかそんな志は消え東京に来てしもた。もう10年になる。
それでもここまではそこそこの人生を歩んできたつもりや。大学も出たし、銀行にも就職出来た。今は転職して別の会社におるが、そこそこの年収もある。大事な彼女もおる。なんの不満もない。しかし不安はある。これからの人生どうしたらええんやろという不安や。
ワイはチキンかあさん煮定食にがっつきビールでぐいっと勢いよく流し込む。何かを誤魔化すように。何かから目を背けるように。
そうやない、今はもっと他に考えるべきことがある。ワイのドッペルゲンガーや。
ワイが最初に違和感を持ったのは3ヶ月前や。とあるテレビを観とったときやな。場所はやっぱり職場からの帰りに寄った大戸屋やった。チキンかあさん煮定食を食いながら観とったそのときの番組は「天皇制の在り方」について討論する番組やった。一般人も参加しとったからワイは興味深く見とったんやが、その一般人の中にワイによう似た顔を持つ男がおったんや。そいつは画面の向こう側におるワイを凝視しとるように感じてワイは薄ら寒く感じた。せやけどそのタイミングで友人の清水もこみちから電話があって、ワイはテレビから数分ほど目を離したんや。そんでワイが電話を終え、再びテレビに目を向けたときそいつは忽然と姿を消しとった。
(続く)
※辰巳ノベルズはフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
[ 2017年08月26日 - 23:20 ]
(08/27 - 01:05) 辰巳=コークだと思う
(08/27 - 00:37) この主イサオだろ。間違いないわ
(08/27 - 00:01) 糸魚川に殺された工場長がヤクザとして復活した模様
コーク (08/26 - 23:59) 糸魚川をぶっ潰す工場長wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(08/26 - 23:55) w
(08/26 - 23:52) 僕も去年間違って突っ込まれたので(笑)
コーク (08/26 - 23:48) ↓スーペルガイジ渾身のツッコミ芸wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(08/26 - 23:45) ボーリング大会?穴でも空けるんですか?
メディシンマン (08/26 - 23:43) おもしろい
(08/26 - 23:41) このコテ何者?
Revigo (08/26 - 23:39) ふーむ…それぞれじっくり読んでみようかな。
(08/26 - 23:33) 毛色の異なるものを一気に三本とは狂気の沙汰ですねぇ。
(08/26 - 23:32) これはこれで中々