■ この損失をもたらす原因となったのが、2005〜2008年にかけてアメリカのシリコンメーカー、ヘムロック社と結んだポリシリコン原材料の長期購入契約だ。当時はドイツなどで再生可能エネルギーが拡大しており、需給が逼迫していたため、必要量を確保しようと高値での長期契約を結ばざるをえない状況だった。
ところがその後、市況は思わぬ展開を見せる。太陽電池用のシリコンは半導体用と比べて純度などの品質要求が厳しくないため、中国などの参入が相次いだのだ。
その結果、起きたのが急激な価格破壊だ。ポリシリコン原材料の価格は2018年までの10年間で8分の1ほどに下がった。かつては京セラやシャープが上位を占めていた太陽電池パネルの生産世界シェアも、中国勢が上位を占めるようになった。
価格低下を受け、京セラはヘムロック社に契約見直しを要請。契約が不公正だとして訴訟まで起こしたが、11月28日に和解したという。京セラは2017年3月期と2018年3月期にも引当損失をあわせて308億円計上しており、一連の長期購入契約をめぐる損失は合計で約820億円となっている。
[ 2018年12月25日 - 00:46 ]
(12/25 - 02:03) 三菱、日産、スルガ銀行そして京セラか